日本航空高等学校石川 副校長 浅川 正人さんの ブログ

推薦入試に雪で交通機関が止まり、新潟からヒッチハイクで間に合った受験生!

1月23日(土)

 先週17日(日)の推薦入試の前日の夜、埼玉県から受験する女子生徒が、JRの夜行列車を利用し学校へ向かう途中、前日からの大雪のため新潟県内で電車が止まり、今、長岡駅にいるが、間に合わないかもしれないと連絡がありました。

 連絡があったのは、16日の夜11時半頃でしたので、到底試験に間に合うのは無理だろうと予測しました。

 ところが17日(日)試験の当日の朝、試験開始ぎりぎりにトラックで学校に到着、試験に間に合いました。トラックの運転手は上越から9時間かけて輪島まで運転し、名前も名乗らず帰って行かれました。

 あとで受験生に聞いた話では、長岡駅からタクシーで北陸自動車道長岡インターまで移動し、インター入り口でヒッチハイクし、1台目で上越市まで移動、今度は市内のガソリンスタンドで給油中だったトラックの運転手に頼み込み、金沢方面に行く運転手が「金沢までなら乗せてあげる」ということで、2台目に乗せてもらったところ、金沢で降りても試験に間に合わないと判断したのか、運転手が輪島まで乗せて来てくれたそうです。

 http://www.hokkoku.co.jp/subpage/E20100122001.htm


 そのことが、昨日の北國新聞夕刊と、今朝の朝刊にカラーで大きく載りました。

 〜「受験生間に合った」「新潟ー輪島トラック善意の夜通し運転」〜

 「航空石川の推薦入試受験のため、埼玉県内から列車を乗り継いで同校へ向かう途中、大雪によって新潟県内で足止めされた中3女子が、ヒッチハイクしたトラック運転手の夜通しの運転に助けられ、試験に間に合った。同校では22日までにこのエピソードが全校生徒に紹介され、生徒の胸を打った。

 女子生徒は1月17日午前9時10分開始の試験に向け、母親と共に前日から電車を乗り継ぎ、輪島市へ向かった。ところが新潟県長岡市で、大雪により電車が止まった。
 試験に間に合わないと判断した2人は17日午前0時過ぎ、ヒッチハイクを決意。通りかかったトラックに上越市まで乗せてもらい、同市内の給油所で必死に石川方面に向かう車を探したところ、山形県内の運送会社のトラック運転手が快諾してくれた。
 「金沢市まで」との約束だったが、運転手は同市に近づくと「よし、輪島まで行っちゃる」とハンドルを切り、試験開始の約10分前に女子生徒を乗せたトラックが学校に到着した。
 
 事前の電話連絡により「欠席」と見なしていた教職員が驚き、運転手に名前や行き先などを尋ねたが
「うちの娘も受験生だから気持ちは分かる」と控えめに語り、何も告げずに立ち去ったという。

 試験で女子生徒が臨んだ作文のテーマは「私が感動したこと」。迷うことなく女子生徒は、直前まで起こった「感動」をありのまま書き記した。深夜に見ず知らずの親子を運んだ運転手の暖かさ、絶対にあきらめない」と懸命に車を探してくれた母を通して「人の優しさに感動した」とつづった。

 作文を読んだ浅川正人副校長は「運転手の善意に感謝でいっぱい。簡単にあきらめなかった生徒も立派」と目を細めた。女子生徒には21日、合格通知が届けられた。」

 北國新聞1月23日 朝刊記事より抜粋


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